【令和8年6月対応】相談支援事業所の処遇改善加算|就労継続支援B型法人向け計画書サンプルを公開

令和8年6月施行の相談支援で就労支援B事業所が処遇改善加算を取得するための計画書サンプルについて解説する記事のアイキャッチ画像 福祉施設(障がい・児童)

令和8年6月から、相談支援事業所(障害児相談支援事業所・特定相談支援事業所)についても、処遇改善加算の対象に含める制度改正が予定されています。

これにより、これまで就労継続支援B型などのサービスで処遇改善加算を取得していた法人が、新たに相談支援事業所でも加算を取得することを検討するケースが増えると考えられます。

しかし実際には、

  • 既存の就労継続支援B型の計画書と同じ内容でよいのか
  • 相談支援専門員の処遇改善はどのように設計すべきか
  • 法人内での配分ルールはどのように記載するべきか
  • 新規事業所追加の場合の計画書の書き方はどうなるのか

といった点で、計画書作成に悩む事業主の方も少なくありません。

そこで今回は、就労継続支援B型で既に処遇改善加算を取得している法人が、相談支援事業所でも加算取得を目指す場合の参考資料として、

【令和8年6月対応】障害福祉サービス等処遇改善計画書(記入サンプル)
― 就労継続支援B型取得済法人・相談支援事業所追加申請版 ―

を作成しました。

この計画書サンプルは、当事務所が作成したものですが、実際の申請実務を想定した内容に整理しています。

本記事では、

  • サンプル計画書の活用方法
  • 作成時に注意すべきポイント
  • 就労継続支援B型法人が追加申請する際の考え方
  • 実務上よくあるミス

などについて解説します。

相談支援事業所での処遇改善加算取得を検討している事業主の方が、計画書作成の参考資料として活用できる内容をまとめていますので、ぜひ実務の準備に役立ててください。

1. 提出先(指定権者)

提出先名:★ 札幌市長 (例:○○市長 または ○○県知事)
提出日:令和8年4月 ★ 15 日

2. 法人情報

法人名称★ 合同会社○○福祉サービス
代表者職・氏名★ 代表社員 山田 太郎 (実印押印)
法人所在地★ 札幌市○○区○○条○丁目○番地
電話番号★ 011-○○○-○○○○
FAX番号★ 011-○○○-○○○○

【B型からの流用ポイント】法人情報はB型の計画書と全く同じ情報を使用できます。法人印鑑・代表者名もそのまま流用可能です。

第2部:対象事業所一覧(B型+相談支援を一括記載)

No事業所名サービス種別事業所番号指定権者算定する加算区分算定開始月
1★ ○○就労継続支援B型事業所就労継続支援B型★ 0111-○○○○○○○札幌市福祉・介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)令和8年4月
2★ ○○相談支援センター計画相談支援★ 0111-○○○○○○○札幌市処遇改善加算(新設・5.1%)令和8年6月
3★ ○○障害児相談支援事業所障害児相談支援★ 0131-○○○○○○○札幌市処遇改善加算(新設・5.1%)令和8年6月

【B型からの流用ポイント】事業所番号(10桁)は指定通知書を確認してください。B型と相談支援で番号が異なる場合があります。

【重要】算定開始月の違い既存の「就労継続支援B型」は令和8年4月から算定開始ですが、新設される「相談支援(計画・障害児)」の加算は令和8年6月からの算定開始となります。

第3部:加算見込額の計算(令和8年6月~令和9年3月:10か月分)

① 就労継続支援B型(加算Ⅰ・加算率9.3%)

項目計算式・金額
月間総単位数(見込み)★ 例:100,000単位
加算率9.3%
月間加算単位数100,000単位 × 9.3% = 9,300単位
1単位単価(札幌市・例)10.18円
月間加算額(見込み)9,300単位 × 10.18円 ≈ 94,674円
年間加算額(12か月)94,674円 × 12か月 ≈ 1,136,088円

② 計画相談支援(新設加算・加算率5.1%)令和8年6月〜3月(10か月)

項目計算式・金額
月間総単位数(見込み)★ 例:26,510単位(専門員1名・20件相当)
加算率5.1%
月間加算単位数26,510単位 × 5.1% = 1,352単位
1単位単価(札幌市・例)10.18円
月間加算額(見込み)1,352単位 × 10.18円 ≈ 13,763円
期間加算額(10か月)13,763円 × 10か月 ≈ 137,630円

③ 障害児相談支援(新設加算・加算率5.1%)令和8年6月〜3月(10か月)

項目計算式・金額
月間総単位数(見込み)★ 例:34,565単位(専門員1名・25件相当)
加算率5.1%
月間加算単位数34,565単位 × 5.1% = 1,763単位
1単位単価(札幌市・例)10.18円
月間加算額(見込み)1,763単位 × 10.18円 ≈ 17,952円
期間加算額(10か月)17,952円 × 10か月 ≈ 179,520円

④ 法人合計加算見込額
B型(12か月):約1,136,088円
相談支援(10か月):約137,630円
障害児相談支援(10か月):約179,520円
合計:約 1,453,238 円

第4部:要件の整備状況(加算Ⅰ対象・B型用)

以下の要件を満たすことを確認したうえで加算Ⅰ(最上位区分)を算定することを宣言します。

要件内容B型事業所の状況
キャリアパス要件Ⅰ職位・賃金体系を就業規則に明記・周知✅ 整備済(令和○年○月○日改定)
キャリアパス要件Ⅱ研修計画の策定・実施✅ 整備済(研修計画書あり)
キャリアパス要件Ⅲ経験・資格に応じた昇給の仕組み✅ 整備済(賃金規程第○条)
キャリアパス要件Ⅳ年収460万円以上の職員が1名以上✅ 対象者あり(〇〇〇〇:管理者)
キャリアパス要件Ⅴ勤続10年以上の福祉・介護職員の配置✅ 対象者あり
月額賃金改善要件Ⅰ加算Ⅳ相当額の1/2以上を月給で配分✅ 実施済
職場環境等要件14項目以上の取り組みを実施✅ 実施済(後述の一覧参照)

第5部:要件の整備状況(新設加算・相談支援用)

【確認事項】本法人の就業規則・賃金規程・研修計画等は、就労継続支援B型事業所および相談支援事業所を含む法人全体に適用されるものであることを確認しました。令和8年★○★○日付でその旨を全職員(相談支援専門員を含む)に周知済みです。

要件内容相談支援事業所の状況【B型流用可否】
キャリアパス要件Ⅰ職位・賃金体系の整備・周知✅ B型と共通の就業規則・賃金規程を適用(相談支援専門員へも周知済)◎ そのまま流用可
キャリアパス要件Ⅱ研修計画の策定・実施✅ B型と共通の研修計画を適用(相談支援専門員も対象に含めて改定)○ 一部修正して流用可
月額賃金改善要件Ⅰ加算額の1/2以上を月給で配分✅ 法人全体の賃金改善計画に相談支援職員分を追加◎ 合算管理でOK
職場環境等要件8項目以上の取り組みを実施✅ 8項目を相談支援事業所においても実施(後述)○ 一部確認・追記が必要

★誓約事項(令和8年度特例)上記要件のうち、現時点で整備途中の事項については、令和9年3月31日までに整備を完了し、令和9年7月末日までに提出する実績報告書においてその履行状況を報告することを誓約します。なお、実績報告において未対応が確認された場合には、加算額の一部または全部を返還する場合があることを承知しております。

事業者名(署名):★ 合同会社○○福祉サービス 代表社員 山田太郎

第6部:職場環境等要件チェックリスト

1. B型事業所分(14項目以上チェック)

区分A:資質の向上

  • ☑ 定期的な研修の実施(月1回社内研修)→証拠:研修記録簿
  • ☑ 外部研修への参加支援・費用補助→証拠:領収書・参加記録
  • ☑ 資格取得支援(受験費用補助)→証拠:支援規程、領収書

区分B:労働環境の整備

  • ☑ 有給休暇の取得しやすい環境整備→証拠:就業規則・有給取得実績
  • ☑ 育児・介護休業取得支援→証拠:就業規則
  • ☑ ハラスメント防止のための規程整備→証拠:規程・研修記録

区分C:生産性向上

  • ☑ 現場課題の見える化(課題抽出・整理)→証拠:課題整理シート ※上位加算の必須項目
  • ☑ 業務手順書・マニュアルの作成→証拠:マニュアル現物
  • ☑ 業務支援ソフト・タブレット等の導入→証拠:導入契約書・請求書 ※上位加算の必須項目
  • ☑ ビジネスチャットツールの導入(LINE WORKSなど)→証拠:導入記録

区分D:その他

  • ☑ 職員の健康診断の実施→証拠:健診記録
  • ☑ 職場環境改善のための定期的なミーティング→証拠:議事録
  • ☑ 職員の意見収集(アンケート等)→証拠:アンケート用紙
  • ☑ 事故・ヒヤリハット事例の共有と再発防止→証拠:事例記録

計:14項目以上 → 加算Ⅰ・Ⅱの要件を満たす

2. 相談支援事業所分(8項目以上チェック)

【B型からの流用ポイント】法人共通で実施している取り組みは、相談支援事業所でも実施しているとみなせる場合があります。ただし、相談支援事業所の業務実態に即した形で実施していることが確認できるよう記録を残してください。

  • ☑ 定期的な研修の実施(相談支援専門員向け研修を年○回実施)→証拠:研修記録
  • ☑ 資格取得支援(相談支援専門員の現任研修・更新研修費用補助)→証拠:支援規程
  • ☑ 有給休暇の取得しやすい環境整備(B型と共通の就業規則)→証拠:就業規則
  • ☑ ハラスメント防止規程(B型と共通)→証拠:規程
  • ☑ 現場課題の見える化(ケース検討会議の定期開催・課題整理)→証拠:会議記録
  • ☑ 業務支援ソフトの活用(相談支援記録システム等)→証拠:導入契約書
  • ☑ 業務マニュアルの整備(相談支援業務手順書)→証拠:マニュアル現物
  • ☑ 職場環境改善のための定期ミーティング(B型と合同開催可)→証拠:議事録

計:8項目以上 → 新設加算(加算Ⅳ相当)の要件を満たす

第7部:賃金改善計画(配分計画)

1. 配分対象職員一覧

職員番号職種所属事業所雇用形態月額賃金改善額(予定)備考
001生活支援員B型常勤★ 月額3,000円増基本給に算入
002職業指導員B型常勤★ 月額3,000円増処遇改善手当として支給
003相談支援専門員相談支援センター常勤★ 月額3,000円増処遇改善手当として支給
004管理者相談支援センター常勤★ 月額2,000円増処遇改善手当として支給

※実際の職員数・改善額は各事業所の実情に合わせて記載してください

2. 賃金改善額の配分方針

  1. 月給への配分(基本):法人合計加算見込額の1/2以上を、毎月支払う「処遇改善手当」として職員全員に配分する
  2. 賞与等への配分(残額):残額は年2回の賞与(夏季・冬季)に上乗せする形で一時金として支給する
  3. 配分の優先順位:経験・技能のある職員(勤続5年以上、または相談支援専門員資格保有者)に重点配分する

3. 賃金改善見込額の計算確認

項目金額
法人合計加算見込額(第3部より)約 1,453,238 円
うち月給(処遇改善手当)として配分予定額★ 約○○○,000円以上(加算Ⅳ相当額×1/2以上)
うち賞与等一時金として配分予定額★ 残額
法定福利費(社会保険料事業主負担分)の増加分★ 約○○,000円(月給改善額の約14.7%)
合計賃金改善見込額(法定福利費含む)★ ○○○,000円

※月給改善額+法定福利費増加分 ≧ 法人合計加算見込額 となるよう計画すること

第8部:算定期間・実績報告の予定

区分算定開始月算定終了月賃金改善実施期間実績報告書提出期限
B型(加算Ⅰ)令和8年4月令和9年3月令和8年4月~令和9年3月令和9年7月31日まで
相談支援(新設加算)令和8年6月令和9年3月令和8年6月~令和9年3月令和9年7月31日まで

※B型と相談支援の実績報告書は法人一括で提出できます。

第9部:特別な事情に係る届出(該当する場合のみ)

加算の見込額と実際の支払い額に大きな差が生じた場合(売上の著しい減少など)は「別紙様式5(特別な事情に係る届出書)」を提出してください。相談支援事業所の場合、6月から算定開始となるため利用者数の変動に注意が必要です。

第10部:提出書類チェックリスト(提出前の最終確認)

B型と相談支援の計画書を一括提出する際の確認チェックリスト

  • □ 計画書の法人名・代表者名・住所に誤りがないか
  • □ B型事業所と相談支援事業所の事業所番号が正しく記載されているか
  • □ 相談支援の算定開始月が「令和8年6月」になっているか(4月ではない)
  • □ 加算率がB型は9.3%(加算Ⅰの場合)、相談支援は5.1%になっているか
  • □ キャリアパス要件の「相談支援専門員への周知」を確認・記録したか
  • □ 職場環境等要件が相談支援事業所で8項目以上チェックされているか
  • □ 誓約事項に必ず署名・押印したか(令和8年度特例)
  • □ 賃金改善額の合計が加算見込額を上回っているか
  • □ 法定福利費の計算が含まれているか
  • □ 提出期限(令和8年4月15日)に間に合うよう余裕をもって準備しているか
  • □ 提出先(指定権者)が正しいか(B型と相談支援が同じ場合は1か所)

添付書類一覧

添付書類名B型で既に提出済相談支援での扱い
就業規則(賃金規程含む)提出済法人共通→相談支援専門員への適用を明記した確認書を追加
職員のキャリアパス(職位表)提出済相談支援専門員の職位区分を追記して流用可
研修計画書提出済相談支援専門員を対象に追記して流用可
職場環境等要件の取り組み一覧提出済相談支援事業所分を追記
賃金改善の配分計画(各職員)提出済相談支援職員分を追記

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