親の将来に備えて任意後見契約を検討する際、多くの方が気になるのが「費用はいくらかかるのか」という点です。特に、司法書士や行政書士に依頼する場合、契約時の費用だけでなく、後見開始後の継続的な報酬も発生するため、全体像を把握しておくことが重要です。
また、費用は全国一律ではなく、地域や専門家によっても差があります。本記事では、札幌エリアを前提に、任意後見契約にかかる費用の内訳や相場感、見落としがちなコストまで、実務ベースでわかりやすく解説していきます。
任意後見契約にかかる費用の全体像(札幌版)
札幌市で任意後見契約を検討する場合、費用は大きく分けて次の3つに分類されます。
- 契約締結時の初期費用
- 任意後見開始後の報酬(月額)
- 任意後見監督人の報酬
任意後見は「契約して終わり」ではなく、将来にわたって費用が発生する制度です。そのため、トータルコストを理解した上で検討することが非常に重要です。
任意後見契約締結時の費用(初期費用)
まず、任意後見契約を結ぶ段階で発生するのが初期費用です。これは契約書の作成から、公正証書化、登記手続きまでの一連の費用を含みます。
専門家への報酬
司法書士や行政書士に依頼した場合の報酬相場は、
- 約10万円〜20万円程度
となります。
この中には、
- 初回相談
- 任意後見契約書の作成
- 公証役場との調整
- 当日の立会い・同行
といった実務対応が含まれるのが一般的です。
実費(公証役場・登記費用など)
契約は必ず「公正証書」で作成する必要があるため、以下の実費も発生します。
- 公正証書作成手数料:約1.3万円〜
- 印紙代・郵送費など
- 登記関連費用
合計で、
- 約3万円〜5万円程度
が目安です。
初期費用の合計
これらを合わせると、札幌での初期費用の相場は
👉 約15万円〜25万円程度
となります。
任意後見開始後の報酬(月額)
任意後見契約は、契約しただけでは効力は発生しません。本人の判断能力が低下し、家庭裁判所で「任意後見監督人」が選任されて初めて開始されます。
この時点から、任意後見人への報酬が発生します。
専門家が任意後見人になる場合
司法書士や行政書士が就任する場合、
- 月額2万円〜6万円程度
が相場です。
一般的には、
- 月額2万円〜3万円前後
が多いですが、
- 管理財産が多い
- 不動産や事業資産がある
- 業務内容が複雑
といった場合は、報酬が高くなる傾向があります。
家族が任意後見人になる場合
家族が後見人になる場合は、
- 無料〜月額3万円程度
が目安です。
ただし、実務上は「無報酬」で行うケースも多い一方、負担の大きさから一定の報酬を設定することもあります。
任意後見監督人の報酬(必ず発生)
任意後見制度で見落とされがちなのが、「任意後見監督人」の存在です。
任意後見が開始すると、家庭裁判所は必ず監督人を選任します。これは後見人の業務をチェックする第三者であり、この報酬は必ず発生します。
報酬の目安
- 月額1万円〜3万円程度
金額は、
- 本人の財産額
- 業務の内容
などを踏まえて家庭裁判所が決定します。
👉 つまり、専門家を後見人にした場合は
「後見人報酬+監督人報酬」の両方が発生する点に注意が必要です。
その他にかかる費用(見落としがちなポイント)
任意後見監督人選任申立の費用
任意後見を開始する際には、家庭裁判所へ申立てが必要です。この手続きを専門家に依頼する場合、
- 約10万円〜15万円程度
の費用が追加で発生するのが一般的です。
費用はどこから支払うのか
これらの報酬は、
👉 すべて本人の財産から支払われます
そのため、将来的な支払い能力も含めて設計しておくことが重要です。
札幌での主な相談先
札幌で任意後見を検討する場合、以下のような相談先があります。
- リーガルサポートさっぽろ
(司法書士による成年後見の専門団体) - 北海道行政書士会
(行政書士への相談窓口) - 札幌公証役場
(公正証書の作成機関)
複数の専門家に相談し、費用や対応内容を比較することが重要です。
まとめ|任意後見は「トータルコスト」で考える
札幌で任意後見契約を結ぶ場合の費用を整理すると、
- 初期費用:15万円〜25万円程度
- 後見人報酬:月額2万円〜6万円程度
- 監督人報酬:月額1万円〜3万円程度
となります。
任意後見は長期間にわたる制度であるため、単発の費用ではなく「継続的な支出」として考えることが重要です。
その上で、
- 家族に任せるのか
- 専門家に依頼するのか
- 両者を組み合わせるのか
といった設計を行うことで、費用と安心のバランスを取ることができます。
最終的には、必ず事前に見積もりを取り、自分の状況に合った無理のないプランを選択することが大切です。

