【建設業】経営事項等評価結果通知書の見方を解説|経審結果をどう判断し活用するか

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建設業で公共事業への参加を希望する場合に、経営審査事項の申請後に結果通知が手元に届いたときに、数値の多さに驚くことと思います。「どこを見ればよいの?」や「P点だけがわかればいいの?」、「どういうふうに活用すればいいの?」という初めての方の素朴な疑問や不安の解消に役立てるように記事となっております。

本記事は、「経営規模等評価結果通知書 総合評定値通知書(経審結果通知書)」を単なる「結果」として終わらせず、次期の入札ランクアップや経営改善につなげるための戦略ツールとして活用いただくためのガイドです。

ぜひ最後までお読みください。

まず、経審結果通知書の実物をご覧ください。

これは国土交通省の経営事項審査結果サイトで公表されておりますので、会社名や建設許可番号等を入力すれば、誰でも閲覧することが出来ます。

経営事項審査の目的は「数河評定値(P点)」を取得することにあります。

通知書は情報量が多いですが、入札戦略において最も重要なのは以下の3箇所です。

確認優先度項目名意味・重要性
最優先総合評定値(P点)公共工事入札における「格付け(ランク)」を決める決定打です。この点数でAランク、Bランク等が決まります。
2番目完成工事高(X1)業種ごとの売上規模です。この数値が入札参加資格の足切りラインになることがあります。
3番目有効期間審査基準日(決算日)から1年7ヶ月間です。入札参加資格が切れないよう、次回の申請時期を逆算する必要があります。

総合評定値(P点)は、以下の計算式で算出されます。各要素のウェイト(重み)が異なる点にご注目ください。

P点 = 0.25(X1) + 0.15(X2) + 0.20(Y) + 0.25(Z) + 0.15(W)

記号項目概要と実務ポイント
X1工事種類別
年間平均完成工事高
「どれだけ工事をしたか」
2年平均または3年平均の有利な方を選択可能。売上の積み上げが直結します。
X2自己資本額
平均利益額
「会社の基礎体力」
自己資本と営業キャッシュフロー(利払前税引前償却前利益)で評価。内部留保の厚さが問われます。
Y経営状況「財務の健全性」
負債抵抗力、収益性など8指標で分析。粉飾決算防止のため厳格に見られます。短期的な対策が最も効きやすい項目です。
Z技術力「技術者数と実績」
1級・2級技術者の人数と、元請完成工事高。採用や資格取得がカギとなります。
Wその他審査項目
(社会性等)
「社会的責任・貢献」
社保加入、退職金制度、防災協定、ISO取得など。社長の決断一つで加点可能な項目が多いです。

実際の結果通知書を見ると、X1,X2,Y,Z,Wがどこに記載されているのかがわかると思います。
まずはご自身の会社が、各項目でどのような評価点を取得したのかを確認しましょう。

経営事項審査の点数は絶対評価ではなく相対評価なので、「何点なら合格/不合格」という基準はありません。ただし、実務上は入札現場での体感的なレンジがあり、そこから「良い・普通・改善が必要」の目安を判断できます。

社長(経営判断者)向け

社長が決断しなければ動かない、しかし効果絶大な項目です。

1. W点(社会性)の満点狙い

W点は「やるかやらないか」だけの項目が多く、確実性が高い投資です。

  • 建設業退職金共済(建退共)への加入: 履行証明が必要ですが、加入するだけで加点。
  • 防災協定の締結: 自治体との協定締結で加点(+15点相当)。
  • ISO9001/14001の取得: 費用はかかりますが、対外信用と点数両方を得られます。

2. 決算対策によるY点アップ

税理士任せの「節税」決算は、経審ではマイナスになることが多いです。経審対策としては「利益を出して納税し、自己資本を厚くする」のが王道です。

  • 借入金の圧縮: 決算期末までに一時的にでも借入を返済し、負債比率を下げる。
  • 固定資産の流動化: 遊休資産を売却し、現預金(流動資産)を増やす。

3. 技術者(Z点)への投資

資格手当の増額や、資格取得費用の全額会社負担制度を導入し、社員に1級・2級施工管理技士の取得を促してください。

実務担当者(経理・総務・営業)向け

日々の業務の積み重ねが、最終的な点数に大きく響きます。

1. 工事経歴書の戦略的作成(X1, Z点対策)

元請・下請の区分け、工種の振分けを正確に行うことは当然ですが、以下の点に注意してください。

  •  振替の検討: 許可業種間で工事実績の積み上げが不足している場合、関連性のある工事を合算・振替できる規定がないか確認する(例:土木一式ととび・土工など)。
  •  完成工事高の計上時期: 完成基準か進行基準かで計上額が変わります。目標点数に届くよう、適正な範囲で調整を行う。

2. 加点事由の証明書類整備(W点対策)

「やっているのに書類不備で加点されない」のが一番の損失です。

  • CPD(継続教育)単位: 技術職員の研修受講記録は毎月管理していますか?
  • 建退共の証紙: 現場ごとに証紙を購入・貼付した実績(受払簿)は整理されていますか?
  • 法定外労災: 業務災害補償保険等の加入証明書はすぐ出せますか?

状況: 利益は出ているが、P点が伸び悩んでいる。

診断: W点(社会性)Z点(技術力)の取りこぼしが考えられます。

対策:

  • 防災協定を自治体と結んでいないか確認(未締結なら即交渉)。
  • 経理処理で「完成工事未収入金」が滞留していないか確認(回転期間の悪化要因)。
  • 若手技術者の資格取得支援プログラムを開始する(若年技術者の加点活用)。

状況: 公共工事の受注を増やしたいが、売上(X1)が急には伸びない。

診断: Y点(経営状況)の改善が最も効率的です。

対策:

  • 受取手形の早期現金化: 手形サイトを短縮し、流動比率を改善する。
  • 長期借入金へのシフト: 短期借入金を長期借入金に借り換えることで、流動負債を減らし流動比率を上げる(Y点に直結)。
  • 今期の決算は「節税」重視か「経審」重視か、税理士に指示したか
  • 技術者の資格取得報奨金制度はあるか
  • 防災協定や災害時の活動に参加しているか
  • ISO取得やCCUS(キャリアアップシステム)導入の検討を行ったか
  • 入札したいランク(A/B/C)と現状のP点のギャップを把握しているか
  • 技術職員名簿の変更届は提出済みか(退職・入社・資格取得)
  • 建設業許可の有効期限、決算変更届の提出期限は管理できているか
  • CPD単位の取得状況を技術者ごとに把握しているか
  • 建退共の証紙購入状況と現場稼働状況は合致しているか
  • 社会保険・雇用保険の加入漏れはないか(未加入は大幅減点)

Q. 評点を上げるために最も即効性があるのは何ですか?A. W点(社会性等)の加点積み上げです。例えば、建退共の加入や防災協定、建設機械の所有状況などは、事実があれば加点されます。また、Y点(経営状況)は決算処理の工夫(短期借入金の固定化など)で、決算期末の処理だけで点数が変わる可能性があります。Q. 技術職員の数(Z点)は、いつ時点の人数ですか?A. 原則として審査基準日(決算日)時点での在籍かつ常勤の技術者です。決算日翌日に入社しても、その期の点数にはなりません。採用計画は決算日を意識して行う必要があります。Q. 民間工事メインですが、経審を受けるメリットはありますか?A. はい、あります。大手ゼネコンの下請けに入る際、経審の点数(経営状況分析結果)の提出を求められるケースが増えています。自社の「信用力」を客観的な数値で示せるため、与信管理の面で有利に働きます。

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