建設業許可の「5つの要件」とは?取れる会社・取れない会社の分かれ目を解説

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こんにちは、イーエイブル法務事務所の乙川(おとかわ)です。
ブログ記事をお読みいただきありがとうございます。
当事務所は建設業に特化した行政書士事務所です。
建設業の許可申請を考えている事業主の方や、
これから取扱業務にしたいと考えている行政書士の方向けに記事を書いております。
皆様のお役に立てると幸いです。

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さて、
前回の記事では、建設業許可に違反するラインとその罰則についてお話いたしました。

単純に500万円基準といったイメージだけで判断すると、
意外な落とし穴にはまってしまう危険があることを
ご理解いただけたかなと思います。

また、
ご自身の会社の規模から考えて、
許可を取得するような工事はしないような場合でも、
許可を取得することに経営上のメリットがあることがわかりました。

では実際に許可取得をしようとしたとき、
自分の会社でも取れるのか気になりますよね?

そこで今回の記事では、
建設業許可の取得を実現するために、
必要となる「要件」についてお話ししたいと思います。

どうぞ最後までお読みください。

ご自身の会社で請け負う工事の業種が29業種のうちでこれだとわかり、
では建設業の許可を取得しようと考えたときに、

実は乗り越えなければいけない「壁」があります!

それは、
「要件」
という名の壁です。

いくら許可取得を希望したところで、
要件をご自身の会社が満たしていなければ、
門前払いとなってしまいます!

これじゃあ話になりません。

それでは許可取得のためにはどうすればよいのか?
手立ては明確です。

まずは、
・どんな要件が求められているのかを知り
・自分の会社はクリアできるのかを判断し
・クリアできない要件について対応する

ことです。

そのためにも始めの一歩として、
上記3つの事項について体系的に理解し、
焦らず確実に準備を進めていけば大丈夫です。

書類や資料集めに骨が折れることもありますが、
きちんとお仕事をされている会社であれば、
ちゃんと許可は取れますので、
1つ1つ進めていきましょう。


ちょっと語弊があるかもしれませんが、
許可要件について、
「いったい行政は何を見ているのか」について簡単に説明してみたいと思います。

要するに、
許可要件をクリアするということを言い換えると、

「あなたの会社が建設業を営む会社として、一定の基準をクリアしている」

ということを意味しています。

では、
この「一定の基準」とは何を指しているかというと、
・建設業を営むうえで必要な、きちんとした人がいること
・建設業を営むにふさわしい、きちんとした会社であること

この2点で見られます。

じゃあ、
「きちんとした人」とはどんな人がいればよいのか?
・経営の経験が5年以上ある人
・技術の資格や経験がある人
・暴力団関係の人ではないこと

一方で、
「きちんとした会社」については、
・最低限の資金がある会社である
・建設業専用の事務所がある
・会社として適切な社会保険が完備されている

ことです。

上記の条件自体は、長年地道にコツコツと営業してきた会社さんであれば、
多くの場合クリアできるものだと思います。

ただし、
厄介なのは、これらの条件をクリアしていることを、
「書類で全て証明しなければいけない」
ということなんです。

ですが、今回の記事では必要書類が何なのかについては触れません。
次回の記事で詳しくお伝えしますが、
要はこれらの書類から行政が知りたいことはただ1つ。

建設業許可の審査をするうえで、
あなたの会社について、
次の5要件を証明できるかを見ています。


① 経営業務の管理責任者(経管)がいるか
② 専任技術者(専技)がいるか
③ 財産的基礎があるか
④ 誠実性・欠格要件に該当しないか
⑤ 社会保険に適正加入しているか

許可申請で提出する書類は、すべてこのどれかに紐づきます。


◆これは何を見られている?

一言で言うと、
「この会社を“経営者として回してきた人”がいるか」を見られています。

現場作業ができるかどうかではないんです。
あくまでも「経営の経験がある人物」についてなので、
・見積を出して
・契約を結んで
・お金の管理をして
・人を使って
・トラブルがあれば責任を取る

こういう経営判断をしてきた実績がある人なのか、を見られるわけですね。
これがいわゆる、
「ケーカン」要件というものです。

◆具体例(OKパターン)

・個人事業主として、
「建設業を5年以上経営」していたこと。

・法人の取締役として、
「建設会社の経営に5年以上関与」していたこと。

ではこれらの「経験の証明」をどういう書類で行うのか?

👉 請求書・決算書・登記簿などで
「経営に関与していた事実」が説明できればOK。

【実際に出す書類(例)】
・登記簿謄本(役員だった証拠)
・確定申告書
・請負契約書・請求書
・建設業をやっていたと分かる資料

◆ よくある誤解・NG

❌「現場の親方を20年やってきた」
→ 経営じゃないと判断されることがある

❌「名ばかり役員」
→ 書類上役員でも、実態がなければアウト

このあたりの判断が、
もしかしたらネックになってくるかもしれませんね。

◆ 迷った時の判断方法

“腕がある人”じゃなくて、
“会社を回してきた人”と客観的に判断してもらえるか。


◆ これは何を見られている?

「技術的な責任を常に負える人がいるか?」
ここが一番つらい。

その工事をやっていいか・どうやるかを
判断できる現場の人材が常勤でいるかどうかを判断されます。
経営者ではないんです。

◆ 2つのルートがある
このセンギを判断するときに、確認の方法として2つのルートがあります。
一方がダメでも、もう一方で可能性を探るんです。

① 資格ルート
・1級2級施工管理技士
・技能士
などの「客観的な資格」を持っている場合は、こっちのほうが確実だし簡単です。

👉 資格証1枚で比較的シンプル。

② 実務経験ルート
・建設工事の実務経験
・原則10年(業種により短縮あり)

①で確認ができない場合は、このルートを進むことになりますが、
正直大変になります。
10年分の自分の実務の証拠を書類で集めなきゃいけないんです。
1社で10年務めていればいいですけど、
転職していた場合には厄介です。

👉 ここが一番詰む。

◆ 実務経験の具体例

「10年やってます」では足りません。種類が必要です。
・当時の候時の請求書
・その工事の注文書
・請負工事の入金が確認できる通帳
・工事内容が分かる資料

です。これを10年分集めなければいけません。

「いつ・どんな工事を・どの立場でやったか」

をお役所に書類で説明できなければダメなんです。
転職していた場合、
前の会社に連絡をして上記の書類を掘り起こしてもらう必要があります。
前職の会社に種めるかどうかがカギですし、
10年も前の工事の書類がきちんと保管してあるのかも心配ですよね。

【実際に必要なもの(リアル)】
たとえば内装工事業なら👇

・2014年:○○店舗内装工事
→ 請求書・注文書・通帳

・2016年:△△ビル改修工事
→ 請求書・入金記録

・2019年:□□マンション工事
→ 工事内容が分かる資料

👉 これを10年分用意しなければいけません。

よくある詰みパターン
❌「請求書が残ってない」
❌「前の会社が協力してくれない」
❌「工事内容が専技の業種とズレてる」

👉 ここで相談が止まる人、めちゃくちゃ多いです。

◆ 常勤性も必須
常勤性=「その人、本当に“その会社の人”として毎日ここで働いてる?」
という確認。

役所はこう疑ってる👇
「名義だけ置いて、実際は別の会社で働いてない?」

だから
“生活の中心がこの会社にある”証拠を出せと言ってる。

どういうことかというと、
・あなたが他社と兼務していない
・その営業所に常に勤務している
ということを証明出来るかどうかです。

これは、
👉 出勤簿・給与・社会保険で確認することができます。
具体的に説明してみます。

◆ 常勤性で見られる2つのポイント
① 他社と兼務していないか

つまり👇

・別の会社で正社員として働いていない
・他社の役員・専任技術者になっていない
・個人事業を並行してガッツリやっていない

👉 専任技術者・経管は「掛け持ち禁止」

② その営業所に常に勤務しているか

ここが重要。
・毎日(原則)その営業所に出勤している
・現場専属で、会社にほとんど来ない人はNG寄り
・週1だけ顔出す、はアウト

👉 「名義貸し防止」が目的。

◆ じゃあ、どうやって証明するの?

役所は
「言葉」じゃなく「生活の痕跡」を見る。

① 出勤簿
 📌 何を見る?
   ・月〜金で出勤記録があるか
   ・極端に空白がないか

❌ NG例
  ・開業直前に作っただけの出勤簿
  ・全部同じ字・同じ時間

👉 形だけだと疑われる

② 給与台帳 
 📌 何を見る?
   ・毎月、安定して給料が出ているか
   ・金額が不自然じゃないか

❌ NG例
  ・月1円とか
  ・申請直前の1か月分だけ

👉 「本当に雇ってる?」と疑われる

③ 社会保険

📌 これが一番強い証拠
  ・健康保険
  ・厚生年金

👉 社保に入ってる=他社でフルタイム勤務してない証拠になる。

❌ NG例
  ・他社で社保加入中
  ・国保のままなのに「常勤です」

◆ 具体的なOK・NGイメージ
OKパターン
  ・A社の専任技術者
  ・毎日A社に出勤
  ・A社から給料
  ・A社で社会保険加入

👉 何も問題なし
  
グレー〜NGパターン
  ・昼は別会社、夜だけこの会社
  ・個人事業をガッツリ並行
  ・現場に出っぱなしで事務所不在

👉 「常勤と言えない」と判断されやすい

◆ なぜここで詰む人が多いか
  ・人を借りてこようとする
  ・とりあえず名前だけ入れようとする
  ・開業直前に形だけ整える

👉 全部、役所は見抜きます。

■h3:③ 財産的基礎
◆ これは何を見られている?

「お金がなくて工事途中で倒れないか」

極端に言うと、
未完成工事を放置しない体力があるかどうかを見られています。

◆ 代表的な基準
  ・自己資本500万円以上
   または
  ・500万円以上の預金残高

👉 申請時点で必要。

◆ 具体例
  ・通帳残高証明で500万円ある → OK
  ・決算書で純資産500万円ある → OK

❌ 一時的に借りたお金
❌ 見せ金っぽい動き
→ 突っ込まれる可能性あり


◆ これは何を見られている?

「この人に建設業を任せて大丈夫か」

人として・事業者としての信用。

◆ 具体的なチェック内容
  ・過去の重大な法令違反
  ・建設業法違反
  ・詐欺・横領などの犯罪
  ・暴力団関係

一定期間内に該当するとアウト。

◆ よくある勘違い
❌ 昔の交通違反
❌ 軽微なトラブル

→ 多くの場合は問題なし。


◆ これは何を見られている?

「国のルールを守って経営しているか」

今はここの要件がかなり厳しく見られてます。

◆ 原則
  ・法人 → 加入必須
  ・常勤社員がいる → 加入必須
   健康保険・厚生年金・雇用保険。

■ NG例
❌「うちは小さいから入ってない」
❌「一人親方だから関係ないと思ってた」

👉 残念ながらこの場合だと許可は出ないです。

★5要件を一言でまとめると
要件 本質
経管 経営してきた人がいるか
専技 技術責任を負える人が常勤か
財産 工事を完遂できる体力があるか
誠実性 信用できる事業者か
社保 ルールを守る会社か


ここまで、
建設業許可を申請するうえで絶対に避けては通れない、
「5つの要件」について解説してきました。

これらの要件は、
単に形式を整えればよいものではなく、
実態が伴っているかどうかを厳しく確認されます。

特に、
経営業務の管理責任者と専任技術者については、
「やってきたつもり」では足りず、
書類で客観的に説明できるかが大きな分かれ目になります。

「自分の会社は要件を満たしているのか」
「この経験は使えるのか」
と少しでも不安がある場合は、
申請前に一度立ち止まって整理することが重要です。


さて次回の記事では、
今回触れきれなかった

「建設業許可申請で実際に必要になる書類」

について、
具体例を交えながら詳しく解説していきます。

ぜひご一読ください。

また、
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