子どもに未成年後見人をつけるには?手続き・選び方・注意点をわかりやすく解説

子どもに未成年後見人をつける方法について解説する記事のアイキャッチ画像 後見制度

万が一、自分たち親に何かあったとき、未成年の子どもは誰が支えてくれるのか——この問題について具体的に考えたことはあるでしょうか。

通常、未成年の子どもには親権者が存在し、日常生活や財産管理について親が責任を持って対応しています。しかし、両親が亡くなった場合や、何らかの事情で親権を行使できなくなった場合には、子どもを保護・支援するための「未成年後見人」を選任する必要があります。

未成年後見人は、子どもの生活や教育、財産管理などを担う非常に重要な存在です。そのため、「誰を選ぶか」「どのように選ばれるのか」は、子どもの将来に大きな影響を与えることになります。

もっとも、「未成年後見人は自動的に決まるのか」「親が事前に指定できるのか」「手続きはどう進めるのか」といった点については、正しく理解されていないことも少なくありません。

本記事では、子どもに未成年後見人をつける方法について、具体的な手続きや指定の仕方、選び方のポイントや注意点まで、実務的な視点からわかりやすく解説していきます。

未成年後見人とは、親権者がいない、または親権を行使できない場合に、未成年の子どもの生活や財産を保護・管理する役割を担う人のことです。

通常、未成年の子どもには親権者(父母)が存在し、

・日常生活の監護
・教育に関する判断
・財産の管理

などを行っています。

しかし、

・両親が亡くなった場合
・親権を失った場合
・重病や事故などで判断能力を失った場合

には、子どもを保護する人がいなくなってしまいます。

このようなときに必要となるのが未成年後見人です。

未成年後見人は、単なる「見守り役」ではなく、

・生活全般の支援
・学校や進路に関する判断
・財産の管理・契約行為

など、親権者に近い重要な権限と責任を持つ存在です。

そのため、「誰を選ぶか」「どうやって選ぶか」は、子どもの将来に直結する極めて重要な問題となります。

未成年後見人をつける方法は、大きく分けて次の2つです。

方法① 遺言で指定する(最も確実な方法)

最も確実かつ望ましい方法が、「遺言による指定」です。

親が生前に遺言書を作成し、

「自分が死亡した場合は、この人を未成年後見人とする」

と明記しておくことで、その内容に基づいて後見人が選任されます。

この方法の最大のメリットは、

・親自身の意思を確実に反映できる
・家庭裁判所の判断に委ねずに済む

という点です。

特に、

・特定の親族に任せたい
・子どもの性格や状況を理解している人に託したい

といった場合には、遺言による指定が非常に有効です。

方法② 家庭裁判所に申し立てる

遺言による指定がない場合や、指定された人が辞退した場合などには、家庭裁判所に申し立てて未成年後見人を選任してもらうことになります。

この場合は、裁判所が「子どもの利益」を最優先に考え、適任者を選びます。

家庭裁判所で未成年後見人を選任する場合、基本的な流れは以下のとおりです。

① 後見人候補者を決める

まず、後見人の候補者を検討します。

一般的には、

・祖父母
・叔父・叔母
・兄姉
・信頼できる親族

が候補となりますが、適任者がいない場合は、

・弁護士
・司法書士

といった専門家が選ばれることもあります。

ここで重要なのは、「子どもの生活を長期的に支えられるか」という視点です。

② 申立書類の準備

次に、家庭裁判所に提出する書類を準備します。

主な書類としては、

・申立書
・未成年者の戸籍謄本
・住民票
・財産目録
・後見人候補者事情説明書

などがあります。

特に財産目録については、子ども名義の財産(預貯金、保険金など)を正確に記載する必要があります。

③ 家庭裁判所へ申し立て

未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所に書類を提出します。

申し立てができる人は、

・未成年者本人
・親族(祖父母・兄弟姉妹など)
・児童相談所長

などです。

費用としては、

・収入印紙(子ども1人につき800円程度)
・郵便切手代

が必要になります。

④ 審判・選任

提出された書類や事情をもとに、家庭裁判所が審査を行い、最終的に未成年後見人を選任します。

場合によっては、

・面談
・追加資料の提出

が求められることもあります。

未成年後見人は長期間にわたって子どもを支える存在であるため、選び方が非常に重要です。

子どもとの関係性と理解度

子どもの性格や状況を理解しているかどうかは非常に重要です。

単に親族であるというだけでなく、

・信頼関係があるか
・日常的に関わりがあるか

といった点を重視する必要があります。

継続的に対応できるか

未成年後見は、数年から十数年に及ぶ可能性があります。

そのため、

・健康状態
・居住地
・生活状況

などを踏まえ、長期間対応できる人を選ぶ必要があります。

金銭管理能力と責任感

後見人は、子どもの財産を管理する責任を負います。

・適切に管理できるか
・不正のリスクがないか

といった点も慎重に判断する必要があります。

子どもの生活が途切れない

万が一の事態が起きても、すぐに支援体制が整うため、生活の混乱を最小限に抑えることができます。

親の意思を反映できる

遺言で指定しておくことで、「この人に任せたい」という親の意思を確実に実現できます。

親族間のトラブル防止

事前に決めておくことで、

「誰が面倒を見るのか」

という争いを防ぐことができます。

未成年後見人を事前に決めていない場合、

・家庭裁判所が選任する
・希望しない人物が選ばれる可能性がある
・手続きに時間がかかる

といったリスクがあります。

また、選任までの間は、子どもの生活や財産管理が不安定になる可能性もあります。

未成年後見人をつける方法は複数ありますが、最も重要なポイントは「事前に準備しておくこと」です。

特に、

・確実に希望を反映したい
・子どもの将来をコントロールしたい

という場合には、「遺言による指定」が最も有効な方法といえます。

一方で、家庭裁判所の手続きについても理解しておくことで、万が一の際にスムーズに対応することができます。

子どもの将来は、親の準備によって大きく左右されます。
万が一の事態に備え、「誰がどのように支えるのか」を具体的に設計しておくことが、何より重要です。

タイトルとURLをコピーしました