― 事業者が知っておくべき現実的な判断基準 ―
建設業の許可申請、障がい福祉事業の施設開業のための指定申請、公正証書による遺言、産業廃棄物運搬の許可申請、飲食店営業のための許可申請、車の車庫証明、古物商の取引許可などなど、世の中にはいわゆる「行政手続き」と呼ばれる書類作成と役所への提出を求められるものが山のようにあります。
これらの行政手続きは、
「時間さえあれば自分でできる」
そう思って対応してきた事業者の方も多いと思います。
実際、最初はそれで問題ないケースもあります。
しかし、続けていく中で
「思ったより大変だな…」
「本業に集中できないな…」
と感じ始める人も少なくありません。
ここでは、行政手続きを自分でやる場合のメリット・デメリットを、
行政書士の実務目線で整理します。
自分で行政手続きを行うメリット
コストを抑えられる
最大のメリットは、やはり費用です。
- 専門家への報酬が不要
- 申請手数料だけで済む
開業直後や資金繰りに余裕がない時期には、
この点は非常に大きな魅力です。
事業内容を深く理解できる
手続きを自分で調べ、書類を作る過程で、
- 法令の考え方
- 行政の判断基準
- 必要な運営体制
を自然と理解できるようになります。
これは、
長期的には事業運営の土台になる知識でもあります。
自分で行政手続きを行うデメリット
時間と労力が想像以上にかかる
実務で一番多いのが、この声です。
- 調べるのに時間がかかる
- 書類が何度も差し戻される
- 平日に役所へ行く必要がある
結果として、
本業の時間を削って対応することになります。
判断を間違えるリスクがある
行政手続きは、
- 「書いてあればOK」
- 「前に通ったから今回もOK」
とは限りません。
- 解釈の違い
- 地域ごとの運用差
- 最新の法改正
これらを見落とすと、
不許可・やり直し・事業停止につながることもあります。
精神的な負担が大きい
「これで合っているのか?」
「もしダメだったらどうしよう」
この不安を抱えたまま事業を続けるのは、
思っている以上にストレスになります。
行政書士の現場から見た現実
実際には、
- 最初は自分でやっていた
- 途中から限界を感じた
- 本業が忙しくなってきた
このタイミングで相談に来られる事業者が多いです。
自分でやること自体が悪いわけではありません。
問題は、
「いつまで自分でやるか」を決めないまま続けてしまうことです。
まとめ
- 自分でやるメリット:費用・理解
- デメリット:時間・リスク・精神的負担
- 重要なのは「続けられるかどうか」
次の記事では、
「どこまで自分でやって、どこから専門家に任せるべきか」
その具体的な線引きを解説します。


コメント