【入門編】建設業の入札参加資格をゼロから解説|経審・主観点・格付の全体像

建設業の経営事項審査について、入札参加資格を解説する記事のアイキャッチ画像 建設業許可

こんにちは、イーエイブル法務事務所の乙川(おとかわ)です。
ブログ記事をお読みいただきありがとうございます。
当事務所は建設業に特化した行政書士事務です。
建設業の許可申請を考えている事業主の方や、
これから取扱業務にしたいと考えている行政書士の方向けに記事を書いております。
皆様のお役に立てると幸いです。
当事務所へのお問い合わせは以下のリンクらかお願いいたします。

https://otokawa-gyouseishoshi.com/

前回の記事では、
建設業の会社さんが自治体の公共事業の入札にチャレンジしようとお考えの時に
避けては通れないP点という総合評価値について詳しくお話をさせていただきました。

P点についての前回記事をまだご覧になっていない方はこちらからどうぞ。

https://otokawa-gyouseishoshi.com/blog/keiei-jikou-shinsa-y-point-p-point/

P点とY点について理解できましたので、
いよいよ
今回の記事では
「入札参加資格の申請」について詳しくご説明していこうと思います。

このフェーズでのポイントは、
全国共通の数値であるP点と、
自治体ごとに出される数値との違いを理解できるようになる
ことです。

流れや書類で難しいことはそれほどありませんので、
どうぞ最後までお読みください。

振り返りになりますが改めて、

「入札参加資格」とは一体何なのかと、
入札に至るまでの道のりの中で「入札参加資格の申請」はどこに位置するのかをご説明いたします。

まずは入札参加資格についてですが、
建設業を営む方で既に工事を行うための許可を取得している方は、
所定の手続きを経ることによって、
公共工事の入札に参加するための「資格」を手にすることが出来ます。

そうなんです。
ここ、勘違いしやすいのですが、

公共工事の入札って誰でも希望すればできるものではなく
きちんとした手続きを踏んで、
行政庁から「入札に参加してもいいです」とお墨付きを頂き、
そのうえで公共工事を発注する各自治体に「あなたの街の入札に参加したいです」と申請を出し、
その自治体から「いいですよ、参加資格をあげますね」と資格をもらって初めて公共工事の入札に参加することができるんです。

しかも、
あくまでも「入札に参加する資格」なので、
実際に入札に応募しても「落札」できるとは限りません。

下手をすれば永遠に落札できないってことも起こりえます。

そうならないように、
我々行政書士がタッグを組んで、
会社さんと二人三脚で勝ち取っていくのが公共工事というものです。

もし公共工事にチャレンジしたいけれども、
ちょっと自分でやるのは自信がないなという方は、
是非一度行政書士にご相談してみてください。

わたしの事務所は建設業許可を専門にしていますので、
ご相談に乗りますのでお気軽にお問い合わせください。

https://otokawa-gyouseishoshi.com/

さて、
それでは一連の手続きの中で
入札参加資格の申請はどこに位置するのでしょうか?
下のフローをご覧ください。

流れ

直近の手続きとしては、
「経営事項審査」を経てP点を通知された後ですね。

ちなみにP点は許可行政庁から付与されますので、
多くの場合は北海道知事であったり、
各都道府県知事となります。
大臣許可の場合はもちろん国土交通大臣です。

そしてこのP点は、
全国共通の「客観的な数値」だということです。

今回の記事では、
ここがキーワードになります。

経審が終わった後に入札の参加申請をするのですが、
申請先は「工事を発注する自治体」です。

北海道の公共工事であれば ⇒ 道
札幌市が発注者の工事なら ⇒ 札幌市
北広島市が発注者の工事なら⇒ 北広島市

にそれぞれ申請をし、受理した自治体から「主観点」というものが付与されます。
これ大事です。
本日2つめのキーワードになります。

【客観点】
P点(総合評定値)と呼ばれ、
会社の規模や経営状態について許可行政庁が複数項目で評価をし、
全国共通の基準として数値を算出したものをいう。
ポイント:許可行政庁が出す数値で全国共通

【主観点】
客観点であるP点を基に、
各自治体が独自項目を追加して自治体特有の評定を出したものが「主観点」と呼ばれています。
ポイント:各自治体が出す数値で自治体によって異なる

これは自治体によって異なりますので、
例えば、
札幌市でAランクだった業者が
北広島市でもAランクとは限りませんし、
そもそもP点(総合評定値)で出されたランクと同じとも限らないのです。

で、
各自治体から出されるABCD…といったランクの事を、
等級格付や単に等級などと呼ばれたりします。

厳密に言うと、
客観点を基に各自治体が独自項目によって算出した主観点を加えて「等級格付け」を出していることになります。
上記の説明はわかりやすさを重視しました。

で、
後述しますが先にちょっとだけ触れると、
この等級格付は何が大事なのかというと、

ABCなどの等級によって「発注標準金額」というものが決まってくることです。

いまは情報が多くなってしまうのでここでやめますが、
要するに等級によって応募できる公共工事の金額に制限が設けられるというイメージです。

北海道の公式HPによると、

北海道の建設工事等競争入札参加資格審査における主観点(技術・社会点)は、

経営事項審査(客観点)に加え
・地域の実情に応じた技術力
・防災
・地域貢献
・働き方改革等

を独自に評価する制度です。

2025・26年度の見直し案では、
担い手確保(建設キャリアアップシステムや若手雇用)や防災・維持除雪への貢献
格付け決定に際して重視されています。

具体的な評価項目は以下の通りです:

【北海道の主観点の評価項目】
★技術・社会的要素の主な項目:
 ◇ 地域の安全・安心への貢献: 維持除雪功労者表彰、防災協定の締結など。
 ◇ 担い手の確保・育成: 若手技術者・技能者の雇用、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録・活用。
 ◇ 環境への配慮: 北海道グリーン・ビズ認定制度、ゼロカーボン・チャレンジャー。
 ◇ その他の社会貢献: パートナーシップ構築宣言など。

★評価の算出: 客観点(経営事項審査)と技術・社会点を合計して入札用評価の総合点を算出。

★目的: 信頼できる地元事業者の確保や、手抜き工事の防止、地域特有の課題への対応

これらの主観点については、
北海道の「建設工事等競争入札参加資格 格付及び審査基準」で詳細が規定されており、
地域ごとの建設管理部や市町村が独自の基準を設けています。

PDFのURLはこちらです

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/1/2/5/8/2/7/8/4//%E4%BB%A4%E5%92%8C7%E3%83%BB8%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%A0%BC%E4%BB%98%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf

では札幌市での主観点はどうなっているのでしょうか。

札幌市の入札における「主観点」は、


経営事項審査(客観点)に加え、
市が独自に評価する
・工事実績
・地域貢献
・信頼性
などを数値化したものとなっております。

主な評価項目として、
市内業者への7%加算や、
経営規模審査基準に基づく4つのカテゴリー(①〜④)が採用され、
主に土木・建築・管など7工種の格付に使用されるようです。

【札幌市入札の主観点に関する詳細】

札幌市では、公平性・透明性を確保し、
適正な履行能力を保証するために主観点制度が導入されています。

★ 主観点の構成と評価項目
  ◇ 市内業者加算: 市内事業者は客観点(経審)の7%が加算されます。
  ◇ 経営事項審査基準に基づく評点: 4つの項目(主観点①〜④)で評価。
  ◇ 独自評価: 該当市での施工実績、地域貢献活動、安定した経営状況などが考慮。

★ 格付の対象工種
  ◇ 土木、下水道、舗装、造園、建築、電気、管の7工種。

★ 適用と役割
  ◇ 指名競争入札での選考や、総合評価落札方式において重要となる。
  ◇ 地域の実情に応じた実績や技術力が評価される仕組み。

最新の評価基準や格付については、「札幌市競争入札参加資格審査等取扱要領」に基づき算出されるため、定期的な入札参加資格審査申請での確認が必要です。

URLはこちらです。

https://www.city.sapporo.jp/zaisei/keiyaku-kanri/chosei/toroku/documents/r4_8_yoryou.pdf

札幌市の主観店の概要説明の記述の中に、
「総合評価」という言葉が出てきたことに気が付きましたでしょうか?

あれっ、
「総合評定値」じゃないの? タイプミス?と思った方は鋭いです。

結論からお伝えすると、
「総合評定値」と「総合評価」(総合評価落札方式)は異なるものです。
ややこしいですね。
あくまでも「総合評定値」は経営事項審査で算出されるP点のことで、
一方で「総合評価」は自治体が独自項目を加えて等級格付けをし、価格も含めて企業をトータルで評価する事です。

今後、実際の入札の「公告」を見ていきますが、
入札方式などの情報として
・指名競争方式
・総合評価落札方式
という方法があります。

ちょっとややこしいのですが、
ここをきちんと理解しないで素通りしてしまうと、
後で大きな失敗の原因にもなりやすいので、
以下のセクションで詳しく説明いたします。

簡単に言うと「落札業者を決めるための手段の1つ」なのです。
じゃあ、一般競争入札や指名競争入札と何が違うのかってことですよね。

【一般競争入札】
一言でいうと、入札に参加したいと思った人は誰でも入札に参加でき、その参加者の中から落札者が決まる方法の事です。

【指名競争入札】
予め主催者が入札に参加させる業者を選んでおき、選ばれた業者たちで入札競争が行われる方法の事です。事前に選ばれないと入札には参加できません。

【総合評価落札方式】
入札への参加条件については触れずに(または別途条件を設けて)、落札の方法を単にランクら提示金額だけで判断するのではなく、

価格+技術力+社会性+納期等の評価点を総合して落札者を決める方式

です。

つまり、

  • 価格だけで落札順位が決まるわけではない
  • 技術力・品質・社会性(安全対策、環境・地域貢献など)も点数化して加算する

これが「総合評価落札方式」です。
この内容については、改めて別記事で詳しく説明したいと思います。

自治体での公共工事を理解するうえで「発注標準金額」という言葉を知っておく必要があります。

簡単にいうと、
自治体ごとに格付けされたランクによって、
受注できる工事の金額に制限を設けているという
ことなんです。

例えば北海道を例に挙げると、

北海道の発注標準金額(工事等級区分)は、
物価高騰を受け2025年度(令和7・8年度)から次のように発注標準金額が定められております。

【令和7・8年度 北海道発注標準】(抜粋)
北海道庁が公表している令和7・8年度 発注標準に基づき、主要な工種の区分をまとめました。

工種A級B級C級D級
一般土木工事2.5億円以上6,000万〜2.5億円未満2,000万〜6,000万円未満2,000万円未満
建築工事2.5億円以上6,000万〜2.5億円未満2,500万〜6,000万円未満2,500万円未満
舗装工事7,000万円以上2,500万〜7,000万円未満2,500万円未満
電気/管工事5,500万円以上2,000万〜5,500万円未満2,000万円未満
農業土木工事7,000万円以上2,500万〜7,000万円未満2,500万円未満

以上が入札参加資格の申請についての説明になります。

筆者であるわたしの個人的な見解ですが、
北海道が発注する公共工事には比較的規模の大きい会社さんが入札に参加されているように思えます。
例えば、大臣許可を取得されているような会社さんがよく名簿に載っていたりします。

逆に、
市などの地元の自治体が行う公共工事では、
会社規模はそれほど大きくはないけれども長く続けてこられた会社さんだとか、
地域貢献に尽力されている、根差しているような会社さんがよく落札されているような印象を受けます。

行政書士は、
決算変更届の作成から入札参加資格に申請までを、
「手続きの流れ」に沿って業務を遂行していきますが、

会社を経営するあなたは、
これと逆の流れで全体像を設計してください。

どういう事かというと、
ご自身の会社の3年後5年後の姿をイメージして、
「どの自治体」「どの業種」「どのくらいの規模」での公共工事にチャレンジしていきたいのかを先に考えていただきたいです。

このビジョンが無く、
「とりあえず参加できる入札に参加していこう」とすると、
必ずどこかの段階で計画が上手くいかなくなることがあります。
動機づけが弱いので途中で障害が発生したときにも、
それをどうにかして解決して乗り越えていく原動力が足りなくなります。

そうならないためにも、
経営者であるあなたはまず最初に「目標・ビジョン」を設定してから、
我々行政書士にご依頼ください。

もし、
「いやー、なかなかイメージができないんだよねぇ~」というのであれば、
目標に設定からお手伝いさせていただきますので、
公共工事にチャレンジしようかなと思った段階でご相談いただいてもよろしいです。

私の事務所「イーエイブル法務事務所」では、
建設業許可を専門にお取り扱いしており、
中でも特に経審に力を入れておりますので、
何かしらのお役に立てるものと存じます。

【建設業に強い事務所】 イーエイブル法務事務所(2026年11月開業予定)

ご相談内容を問い合わせフォームにてお送りください。
メールにて対応いたします。
平日のお問合せには24時間以内に、休日のお問合せには翌営業日中に返信いたします。

今回の記事では、
経審を終えた後の自治体ごとに行う入札参加申請について説明いたしました。

特に気を付けたいことは、
・客観点
・主観点
という2つの物差しが存在するということです。

申請者にとっては、
各自治体から独自に付与される等級格付けが発注標準金額と結びついてくるので、
実際のどくらいの金額レベルの公共工事にチャレンジできるのかが変わってきます。

■次回予告
さて、次の記事は、
必須の手続き事項ではないのですがこれを知っておいた方が
昨今の建設業界の変化に対応するうえでも有効な
「建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録・活用」
について深堀していきます。
興味があるという方も多いのではないでしょうか。

ぜひご一読下さい。

一番最初の記事から読みたいという方は、
下記のリンクより建設業許可の記事1からご覧ください。

https://otokawa-gyouseishoshi.com/blog/construction-license-overview-hokkaido-sapporo/

また、
記事の内容についてお問い合わせや、
建設業許可取得についてお問い合わせは、
飛車の事務所「イーエイブル法務事務所」のホームページよりフォームにてご連絡ください。

土日祝日、夜間も柔軟に対応しております。

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